『空中ブランコ』(奥田英朗)を読みました。
「性格っていうのは既得権だからね。あいつならしょうがないかって思われれば勝ちなわけ」
主人公の伊良部先生を語る言葉として、蓋し名言です。
前作の『イン・ザ・プール』とまったく同じようにお腹を抱えて楽しみました。こういう医者にかかってみたい(でも一回だけでいいかも)。本当に癒されます。
ちょっと不思議に思ったのですが、作者は単行本に収録する短編数を見越して連載していたのでしょうか。ほとんど連載順に収録されていますが、一冊の本としてみても構成は絶妙なバランスを持っています。はじめにアクションありのどたばたで引きつけて、中程では中だるみしないようにバリエーションを変えて、ラストはしんみりとする人情話。見事でした。
『町長選挙』も読みます。
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