『六番目の小夜子』を読みました。こういう感想を持つとつくづく年齢を重ねたものだなと思いますが、とても甘酸っぱく、爽やかで、不思議と好奇心と不安に満ちた生活をみんながおくってきたものだ、と思いました。誰しもにありそうでなさそうな、日常的で非日常的な、上手い舞台設定と物語だと感心しました。
ミステリと読んでもファンタジーと読んでもホラーと読んでも青春小説と読んでも、どこかしら何か足りない、けれどもしっとりと満足できる、素敵な小説でした。恩田陸さんの作品にははずれがないな、と不遜ながら思います。
僕の通っていた高校は、当時創立100年を迎える学校でした。通っていた大学も大学院も同じように明治期から続く古い学校で、それらの中で同じような、それでいてみんな異なる心持を持った学生たちが、それぞれに異なる時間を過ごしながら、その場所は100年以上も基本的には同じ枠組みを連綿と持っていることに感慨を覚えます。
自分の学生生活について人と話をしたくなる、そんな物語でした。
2008-02-10
『六番目の小夜子』感想
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