『この数学書がおもしろい』(数学書房編集部編)を読みました。数学に携わる41人の人がおすすめの数学書を紹介するのです。
この手の「本の本」の常として「ふんふん、なるほど」というくらいの感想しか持ちませんでしたが、数冊読んでみたいな、という本に出会いましたし、それぞれの選者の思い入れや世界観にいっぺんに触れることができるのは楽しい経験です。
選ばれる本の傾向は結構ばらばらですが、やっぱり高木貞治氏の『解析概論』は大人気。僕の義弟(物理のPh.Dをとっている)もこの古い本を読んでいましたし、自然科学の道を選ばなかった僕もなぜか読んでいます。
その他いろいろな人が本をあげている中でひとり、本を一切紹介していない人(浦井憲氏)がいました。以下、浦井氏の文章を引用します。
あなたが物理学的な世界観で満足するタイプの人でない限り、分かりやすいとか、お勧めとか、あるいはあの本は良くないとか、そういった一般的書評を、決してうのみにすべきではない、ということです。
(中略)
少なくとも実際に手に取り、頁を眺め、これは読みたいという文系的直感があるなら、それを優先させるにためらうところなどまったくありません。
この言葉をじっくりと受け止めようと思いました。
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