2007-11-17

考えろ

ふとしたことから知り合った日本に留学を希望する人から、「入学に際する面接試験で『どのような出来事やニュースに興味があるか』という質問が良く出されるそうなので、どんなふうに答えたらよいか」と相談を受けた。

たとえば僕の場合は、CGMやSNSなどに興味を持っているし、仕事にもしているので、それらのニュースはできるだけチェックしている。ほかにもホワイトカラーの労働生産性をどのようにあげるか、といった問題意識は常に持っているので、そうしたニュースも入手する。それに情報技術関係のニュースも拾い集める。例えば最近のニュースで言うならmixiの社長の講演の「mixiが独り勝ちできたのはコンテンツが動的なためだ」という発言には感心した。ネットワークの外部性が働いたことが一番の原因ではないか、と思いながら。

大学の入学試験で聞かれるのは、それらのニュースを情報として受け止めたら、同じような情報を幅広く持っているかどうか、それらの情報を自分できちんと理解しているか、それらの情報に対する意見をきちんと持っているかどうか、そしてその意見に基づいて行動がおこせるかどうか、ということだと思うので、他人にどんなニュースがありますか、と聞いてもあまり意味はないと思う。

件の相談に関しては、「どんなことに関心を持っていますか? たとえば日本と中国の関係についてどう考えていますか? 流行や文化についてどんなことを感じていますか? どんなことが好きですか? 最近の経済や企業活動について怒ったりあきれたりしたことはありますか? そうしたことから自分なりに問題意識を掘り下げていくことが大学では求められると思います」とえらそうに答えたが、つまりきちんと考えることのできる人に大学に入ってほしいだろうと、大学関係者でもないくせに勝手に想像している。

アドバイスを求められた僕の意見ではなく、面接試験に臨む本人の意見が大切だということ。日頃感じたり思ったりすることとニュースを結びつけて考えることが必要だということ。安易な回答ではなくなってしまったが、真剣にアドバイスをするとなると僕の気になっているニュースを教えることではなく、どのように関心のあるニュースを見つけるか、というほうが大切だと思う。所詮他人事なので、そのように突き放した言い方ができるのかもしれないが、そうしたことは留学予備校では教えないのだろうか。件の留学希望者には、ぜひ張り切って考えてほしい。

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