先日、接客がマニュアル化されていることで有名な某ハンバーガーチェーン店に行き、コーヒーを注文した際、店員から「お召し上がりですか?」と聞かれた。もちろんコーヒーはいただくので僕は「はい」と答えたが、正しい受け答えだっただろうか。
従来は「店内でお召し上がりですか?」とたずねられたものだが、気になったので(僕はこういう細かなくだらないことに多くの時間を使うのだ)その後30分ほどレジカウンターの声が届く範囲で耳をすませていた。その店には日本語を母語としない人もそれなりに訪れるのだが、驚くべきことに店員は全員が「店内で」を省略していたし、客は誰一人としておかしな受け答えはしなかった。
もちろん言語は簡略な言葉へと変化する。「左様なればおいとま致しましょう」は「さようなら」になるし、「今日は良いお日柄で何よりよろしいことです」は「こんにちは」になる(たぶん)。しかし「店内でお召し上がりですか」の「店内で」を省いたら、普通に解釈すれば「食べますか」と同義だ。こういう解釈の仕方は四角張っているので面白くないことは重々承知の上で言うが、食べますかと飲食店で聞かれたらほとんどの場合はYesと答えるだろう。
面白くないので違う解釈をしてみた。
1. そもそも「店内でお召し上がりですか」自体が省略された言葉である
これは「店内でお召し上がりですか、それともお持ち帰りいたしますか」の省略で、僕はその前提を知らないままこれまでの人生を過ごしてきた可能性がある。みんなこれくらいのことは社会常識として知っているのだ。ついでに言えば客が「お持ち帰りです」とか言うのも不愉快だが、これも体言として定着している可能性がある。「お持ち帰りJKを即GET」みたいな使われ方も一部ではするようだし。
2. 近頃は食べない客もいる
岡田斗司夫氏の『いつまでもデブと思うなよ』で「レコーディング・ダイエット」が有名になったが、注目すべき点は記録すること以外にもあり、食べずに捨てるということだ。ZAKZAKの記事「これぞ究極のオタクダイエット(9/5)」から引用するが、
メガマックは4つに切って3つを捨てる。ソフトクリームは3分の1だけ食べてポイ。ポテトチップスは5枚だけ選んで残りは水をかける。もっと欲しければ、また買いに行くというルールだという方法をさらに追求し、消費という性質を突き詰めて、購入したところで欲求が満たされるようにまで磨きをかけることができるかもしれない。
あれこれ書き連ねたところで、僕が阿吽の呼吸をわかっていない堅物である、という以外の結論は見えない。
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