2007-09-16

自転車生活の愉しみ

疋田智著『自転車生活の愉しみ』を読んだ。

僕は人並みに(おそらく人並み以上に。だけど比較したことがないからわからない)自転車を好んでいる。それなりにまともな自転車を愛用し、以前は通勤にも使ったりし、メンテナンスもそれなりに自分でする。が、本書の感想を単純に言うと、前半面白く、後半面白くない。

前半部分では自転車という乗物についてのみ書いてある。自転車の選びかたやメンテナンスのしかた、乗りかたなどなど、読みものとしても面白いし、役に立つ。

後半(というより後三分の一)はヨーロッパの自転車事情見聞記のようなものだが、ヨーロッパの自転車事情や道路行政と日本のそれとを比較しても、単純にどうといえないところを、筆者は単純に言いきってしまっている。「日本の道路行政をこのように変えるべきである」という明確なイメージは、単純に自転車先進国のそれとは重ならないはずだ。地形も違えば風土も違う。

日本の道路行政の明確なビジョンを、僕も含めた多くの人が納得する形で著者が描いてくれたら、僕は大満足するところだ。あるいはそれを描くことが困難なら、日本の道路行政について言及せず、前半のノリで全てを貫いてくれると読むほうとしては気持ちがよい。

偉そうなことを書いたが、僕も明確なビジョンを持っていない。筆者にこちらが勝手に期待したのは、筆者の社会的立場もあってのことだ。

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