2008-01-04

飛び込み営業の理屈

往々にして「飛び込み営業」は不愉快なものである。まさに人間がやってくる飛込みだけではなく、電話でのセールスもたいていの場合は不愉快だ。仕事に没頭しているときに飛び込みの営業や電話が来ると、対応に1分かかったとしても、その作業中断のロスは30分くらいになったりする。僕の仕事の効率が悪いことは、この際棚に上げておこう。

某巨大ECサイトを運営している企業での新人教育では、電話をかけるリストを渡して、1ヶ月以内に5件(これは時期によって変わったりする)の新規出店を達成する、というものがある。もちろん営業的には新規出店数に比例して流通総額が伸びる、という経験則があるのだろうが、見えない部分で失っているものはどれほどか、試算したことはあるのだろうか。もちろん潜在的コストを試算することは難しいから、正確な数字としては見える部分しか計上しないはずだ。しかし企業活動は最終的には数字にするものの、実際には数字で割り切れるほどに簡単なものではない(追記:ほとんどの企業活動は実際には数字で割り切れる。要素をちょっと少なくしてシミュレーションすればかなり正確になるはずだし、意思決定の道具として使っても確からしさは高い)。

飛び込み営業は決して悪いものではないし、営業の基本であるとさえ思う。しかし営業活動の原点は「顧客の利益となるものを提供する」ということである以上、商品やサービスに確固とした自信を持って、なおかつ顧客にとっても良いものであるという確信がなければ、顧客の迷惑になるような行為をむやみに続けることはデメリットとしかならない。

こうした飛び込み営業を愉快なものにする方法がないか、少し考えた。飛び込み営業はどうせ来るのだから、せっかくなら有意義に使おうというわけだ。まだ実践には移していないが、

  1. 反面教師として活用させてもらう
  2. 営業トークを学ぶ
  3. 営業活動サポートツールを作るためのヒアリングとして使う
  4. 気晴らしにする
  5. できるだけ雑談をして、ひょっとしたらどこかでつながるかもしれない情報を入手する
  6. 飛び込み営業の理屈を聞き、議論することで自分の営業感覚をつくる
といったことが思いつける。

営業活動の原点に「顧客の利益となるものを提供する」ということがあるとするなら、営業は売ることにではなく、顧客の利益を知ることに注力するべきである。ならばできるだけ飛び込み営業の人と話をして自分の利益を伝えることで、ひょっとしたら良い結果を迎えることができるかもしれない。

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