2007-04-12

見聞をひろめる

我が家では近頃コーヒー禁止令をしいている。コーヒーの匂いが配偶者の吐き気をひどくするためだ。また、以前から屋内禁煙令がしかれている。配偶者が煙草の匂いを嫌うためだ(考えてみるとどうしてこうも彼女の都合にあわせているのだろう?)。

しかし僕は愚かにもコーヒーと煙草を非常に好んでいる。以前から煙草は屋外ですっていたけれど、コーヒーを屋外でいれるのはちょっと面倒だ。そのため、今日どうしてもコーヒーを飲みたくなったので、近所の喫煙可能な外食店にいった。

席について本でも読もうかと思ったが、ちょっと騒がしいので読むことを諦め、ぼんやりと周りの音が聞こえてくるままにまかせてコーヒーと煙草を楽しんでいた。するといろいろと新鮮な情報が耳に入ってくる。普段なら意識的に聞かないようにするかBGM(ちなみに60年代ハードバップの有線放送かなにかで、聴いたことのある演奏ばかりだった)に集中するのだけど、聞こえるにまかせてみると、これはこれで面白かった。

A. 専門学校生らしき女性4人組
ノートとテキストらしきものを広げて大きな声でいろいろなことを話している。
「ほら、なんだっけ。特定非営利法人?」
「NBO」
「あっ、ビジネスね」
「そうそう」

僕が口をはさむのもどうかと思ったのでそっとしておいたけど、「三人よれば文殊の知恵」という古き英知はうまくはたらいていなかったようだ。彼女たちの成績に幸多かりしことを願う。

B. 看護師らしき女性2人組
職場の悪口をいろいろと話している。そう、たしかに職場の悪口は楽しい。特に上司や組織全体の悪口は格別だ。しかし会話の中に彼女たちが勤務している病院名が頻繁に出てくる。しかも結構目立つ病院だ。

「佐々木さん(仮名)ったらナースコール鳴ってても出ないんだから」とか、「先生よりも助手の方が情報を持ってるなんておかしいと思わない?」とか、「定時にあがれないなんて、冗談じゃないよね」とか、「職場環境の向上なんてさ、こんな余計な仕事してたんじゃ無駄じゃない」とか話をしている。

僕はその病院には絶対にいかないようにしようと思ったが、彼女たちの労働環境に幸多かれと願う。

ほかにも、僕には理解できない言語のカップルや、小学校入学をひかえた幼稚園児のお母さんとか、いろいろな会話が耳に入ってくる。まあこういうのに聞き耳を立てるのも悪趣味なものだが、聞こえてくるものはしょうがない。家で寝ているよりも、非常に見聞がひろがった。

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