『Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル』(Ron Hale-Evans)を読みました。
「記憶」「情報処理」「創造力」「数学」「意思決定」「コミュニケーション」「明晰さ」「知性の健康」についての実践的・実用的なハックが、多くのページ数とかなりの参照資料とで紹介されています。中には練習するのに結構時間がかかるようなトリッキーなものもありますが、多くはすんなりと実践に移せるものでした。そのうえ、読み物としても楽しめます。
ライフハック系の類書との大きな違いは、やっぱり前作とされる『Mind Hacks』があるからだと思います。『MIND HACKS』は脳の働き方や仕組みを解説するという、いわば理論編。かたやこちらは実践編(とはいっても理論的な説明もきちんとかかれています)。
どちらの本も、オライリーにしては異色の本ですが、僕は大いに楽しめました。
2008-06-28
Mind パフォーマンス Hacks
2008-06-23
こりもせずに自己啓発
『レバレッジ勉強法』(本田直之)を読みました。
いつもながら自己啓発本を読んでしまう自分に腹が立ちます。書かれていることはすでに頭ではわかっていることばかりなのですいすいと読めてしまうのだけれど、実行に移すとなるとそれがまた。
しかし自分で言うのもなんですが、僕は勉強は得意なほうです。それでも書かれていることは「なるほどごもっとも」と頭の下がることばかり。こうなったら自分流の自己啓発書を書いて、人からのフィードバックを得たほうがいいのではないか、と思わされてしまいます。
いずれにせよ、自己啓発本は書いた人の圧倒的勝利で、読む人ははじめから著者には敵わないのですよね。
2008-06-21
事件が重要ではないミステリ
『QED 龍馬暗殺』と『QED ~ventus~ 鎌倉の闇』(高田崇文)を読みました。
いつもの事ながら歴史上の謎を解く部分が8割、現実の事件解決が2割。しかも歴史も現実もやたらとこじつけくさい小説です。
ファンの方には酷な言い方かもしれませんが、一般的なミステリファンにはあまりおすすめできないシリーズです。まずトリックが異常です。次にシリーズ物のわりにはキャラクターが生きてこないし、進展もないです(まだ全部読んではいないのですが)。そして現実の事件よりも歴史の薀蓄にページが割かれすぎていたり、パズルのためにストーリーを捻じ曲げたりします。
しかし僕はそうした欠点も含めて、このシリーズの薀蓄たっぷりなところや、「これはこじつけだろう」というところを好み、気に入っているので、文句は言いません。幕末フリークの女の子が登場したり、ほほえましく感じてしまいました。
さて、この小説の歴史部分はどれだけ本当なのだろうか、と少し悩むけれど、検証するだけの知識もなし、時間もなしなので、面白ければそれで良し、とします。
2008-06-18
煙草小説再び
煙草を吸う合間に読む本(邪魅の雫)を読み終えたので、次には小説ではありませんが、『世にも美しい数学入門』を読み終えました。
数学者(藤原正彦さん)と作家(小川洋子さん)の対談というかたちをとっていますが、きわめて平易なことばで、数学の奇妙な美しさが上手に語られています。
「数学は美しい」というのが僕の中学校の教師の口癖でしたが、僕はそのころには美しさがわかっていませんでした。大学に行くようになってようやく美しさが少しわかってきたような半端な数学好きですが、そういう半端な人にはおすすめです。
それはさておき、近頃『ビューティフルコード』を少しずつ読んでいるのですが、ソースコードの美しさを人に訊かれると困ってしまう僕の助けになります。勿論僕は世にも美しいコードを書けるわけでもありませんが。
イケメン貯金箱
配偶者が見つけて大喜びしていたのだけれど、「イケメンバンク」というのが発表されたらしい。
以下、引用。
「イケメンバンク」は、本体液晶画面内で生活する5人の「イケメン」からお気に入りの1人を選び、恋愛気分を味わいながら実際に貯金をしていく仕組み。 500円硬貨を投入するたびに、「ずっとずっといつもオマエが頭にいるよ。オレおかしいくらいオマエを愛してる」などとイケメンからのコメントが届き、ドキドキのストーリーが展開される。イケメンと上手にコミュニケーションをして愛情を深めていけば、最終的に5万円(500円硬貨100枚分)の貯金ができ、その際、素敵なハッピーエンドが訪れるという。ただし5日間コミュニケーションしないとイケメンは置き手紙を残してどこかへ行ってしまうので要注意だ。
どんなストーリーが展開され、どんなハッピーエンドが待っているのか僕は興味深いのだけれど、配偶者はどんな置手紙が残されるかに興味があるらしい。性格の差というものだろう。
イケメンに限らず、その他いろいろの属性の開発が期待される。
2008-06-14
デンデケデケデケ
その昔聞いた話ですが、ふと思い出したので書き留めておきます。
『青春デンデケデケデケ』は映画にもなった有名な作品ですが、このタイトルに少し引っかかりを覚えたのです。出版当時の僕はまだ中学生で、「ベンチャーズは聴いたことがありますよ」程度でした。その僕の耳からすると、「デンデケデケデケ」ではなくて、「デケデケデケデケ」なのではないか、と。
ところが、それはデケデケ初心者なのだそうです。デケデケ中級者になると「デンデケデケデケ」になって、リズムがとりやすく次のフレーズに入りやすくなるという、とても当たり前だけれどなかなか気づかないことを教えられました。
それではデケデケ上級者になるとどうなるか。「デ」よりも「ケ」のほうを下のフレットで押さえるそうです。達人の技ですね。
2008-06-13
2008-06-06
時間病とか
『「ムダな時間」の充電力「バカな時間」の開放力―「時間病」の治し方』(キャメル・ヤマモト)を読みました。
結局書かれていることはそれほど目新しいことでもなく(というのは読む前からわかっているのだけれど)、読む自分のほうに問題があるというのことは重々承知。
こういうのはダイエット本とまさしく同じ傾向で、ダイエットに関するものを読んでも決して痩せないように、時間管理や自己啓発のものを読んだところですばらしい人間になれるわけではない。要するにアクションを起こすのは自分でしかないのに、それを棚上げして他人のアクションを眺めているような感じ。
ではなぜ自分からアクションを起こさないのか。だって怠け者だもん。
2008-06-04
世界があと3年だったら
『終末のフール』(伊坂幸太郎)を、配偶者にすすめられて読みました。そこはかとなく悲しく、それでいて優しい、いい小説でした。
僕は所収の「冬眠のガール」の優しさととぼけ具合がとても気に入ったのですが、配偶者は「鋼鉄のウール」のピリッとした空気が気に入ったようです。読み方はそれぞれですね。
世界の終わりまであと8年しかなかったらどうするか、配偶者と話をしました。僕は今やっている仕事をやめて、バスでも走らせようか、それとも農業に転身しようかと考えましたが、配偶者は100年分の缶詰を用意して引きこもる、とのこと。はたして缶詰がどれくらいもつかは疑問です。