2007-05-21

論理パズルの愉しみ

パズラーの皆さん、お元気ですか?

自称論理パズルファンとして、『試験に出るパズル』を再読しました(105円で売っていたので、実家にあるけどつい買ってしまった)。正直な感想をいうと、本当に奇妙で不自然なお話です。

そもそも論理パズルなんていうものは、虚数空間と同じくらいにしか現実的ではないものだと思っています。だいたい太郎君が雅子さんの席に座り、次郎くんが紀子さんの席に座り、雅子さんが紀子さんと席を交換し・・・なんていう話を聞くと、きょうびボックスシートは流行らない(かつて伊豆高原に行こうとしたとき、冷凍みかんを買ったけどロングシートだったので食べられなかったという個人的怨みあり)とか、4人の関係はどうなっているのかとか、そんなに頻繁に席を変えるほどの長距離ということは、お泊まりだろうけど、部屋割りはどうなるのだろうかとか、いろいろ妄想してしまいます。他にも本当のことしか言わない天使と嘘しかつかない悪魔の見分けがつかないとか、比叡山が許してもバチカンや宗教画家は許さないと思います。

それを無理矢理小説にしてしまうのだから、これはもう完全に現実とは乖離したフィクションの世界であるということをしみじみと確認しながら読みつつ、その仮想世界の中でどれだけ整合的であるか、という趣味の領域に踏み込めない人には、この楽しさは理解しようもないでしょう。

さて、この世の中には論理的であることがそこそこ良しとされている風潮があります。「仕事に生かす論理なんとか」とか、書店にいけば大抵目につきます。で、僕はそれらは「役には立たない」と断言できないまでも、直接役に立つ訳ではないと思っています(ITエンジニアをしていると、直接役に立つこともありますが)。こうした論理パズルの世界は、純粋に楽しみとして眺めているくらいでちょうどよいのではないか、と思うのです。仕事に役立てようとか、議論に強くなりたいとか、そんな動機でこの特殊な世界に浸かるよりは、単純に知識を積みあげるか、中学校の数学をきちんと理解した方がよっぽど有益だと思います。

こういう感想は、論理パズルファンの視点から世界を見ているからだとは思いますね。我ながら。

0 件のコメント: