2007-06-01

エルリックはどこへ行った?

マイケル・ムアコック著の『メルニボネの皇子』井辻訳をついつい105円で買ってしまった(実家に行けば古い訳のものが多分あるはずなのに)。読みかえしてみると、かつての安田訳よりもずっとくだけた感じになっている。

それにしても読後の雰囲気がかつて読んだものとすごく違うのは、訳者の違いもあるだろう。しかし旧版エルリック・サーガシリーズでも『メルニボネの皇子』以外は井辻訳だったから、それほどとは思わない。というかむしろ、新訳のほうがずっと良い。ということは読んだ僕の想像力が経年劣化あるいは変化したということだろうか(中学生の頃の感想など、記憶の彼方にあるというのに)。それとも天野喜孝画伯による挿絵がないことだろうか。

中学生のころに愛したメルニボネの皇子は、もうここにはいない。もちろん僕も中学生では無い。喜ぶべきことだろう、きっと。

それにしても、エルリック・サーガが映画化されるかもしれないという話は一向に進んでいないように見えるが、映画化されたり復刊されたりするほどの人気を持っているとは、かなりマイナな作品群だとばかり思っていた自分を恥じている。しかし僕にとってのエルリックはあくまで天野画伯とセットなので、おそらく映画には興味を惹かれないだろう。天野画伯原画によるアニメ映画とかだったら、万難を排して見る。

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