2009-12-05

『科学』『学習』休刊について

雑談です。かつての愛読者として寂しい話だけれど、売れないのならばしょうがない。なぜあれほどまでに多くの読者をつかんでいたものが休刊になるのか、つらつらと想像してみました。

・販売の問題
学研のおばちゃんが個別宅配をするコストは非常に大きいです。かつて書籍類の流通がそれほど統合されていなかった頃には、出版社-取次-書店の流れの中で、取次に比較すると出版社と書店の数が圧倒的に多かったため、そのどちらかにボトルネックが生じていました。特に書店が各世帯の近くにない場合、出版社としては訪問販売員を使った方が営業機会を逃さないことでしょう。しかし今は流通がかなり効率的になったため、さほどの障害はありません(離島や僻地はのぞく)。

それから、昨今の世帯状況も訪問販売員の足かせとなっています。小学生の子供がいる家庭で昼間に誰かがいるようなところは、きっと80年代と比べると少なくなっていることでしょう(どこかに統計資料があるはず)。学研のおばちゃんが各世帯を回るより、商品の配達は郵送や宅配便で、営業活動はダイレクトメールで、というほうが合理的になっていると思われます。

・制作の問題
昨今の『科学』や『学習』は、以前と比べると12ヶ月でループするような編集が多くなっています。以前の内容は学校の学習内容とはさほど関係なく作られていたのに対し、あくまで比較的ですが、昨今は学校に準ずるような(いってみれば通信教育のような)内容となっていました。学校と関係ないものでもやはり1年でループするならば、興味のあるところだけ買えばよい、ということになってしまいます。つまり、雑誌という形態よりも単行本に近くなってしまい、また通信教育との差別化がうまく図れないようなものとなってしまっていました。それでも出版社は単行本のように在庫を置きませんので、定期購読していないと欲しいものが手に入らず、定期購読していると欲しくないところも送られてくる、という中途半端さ。


おそらくこういったところだろうと想像します。『科学』は僕がかつてわくわくした雑誌なので、自分の子供にもわくわくして欲しいのですが、これから先はどのようなものがあるだろうかと探しています。ベネッセは個人的に楽しくない(学校の内容とおなじものでしょ)ので、『大人の科学』とかデアゴスティーニの何かとか、そのあたりが候補となりそうなのですが、いかんせん幼い子供だけで楽しめるようなものが見あたりません。困りました。

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