2010-07-16

熱い講演を聞きました

仕事のからみで大久保秀夫氏(株式会社フォーバルの創業者)の講演会に参加しました。要点の一つはCRM(Cause-Related Merketing)、一つはBOP(Base of the Pyramid)、もう一つは「決断」です。

CRM(普通にいわれるCRMではありません)の要点は、社会にどんな貢献ができるのかを中心に考える、ということ。「儲かるか」から「競合はどうだろうか」と考えて、「法的にクリアできるだろうか」と検討をして事業を進めるよりも、「この事業には社会的価値があるだろうか」「誰もやらないのだろうか」と考えて「事業として採算が合うか」と検討してゴーサインを出すのが、大久保氏の考える最良な順番だということです。社会的価値についてはいろいろな事例があげられたけれど、興味深かったのは就職人気企業ランキングの上位にNPOが入っていること。牽強付会気味に聞こえたけれど、「トップエリートはJPモルガンを蹴ってもTeach for Americaを選ぶ」とか。その理由付けとして、すでに紋切り型になりつつあるマズローの欲求階層説をあげていました。曰く、承認欲求以上の欲求(自己実現欲求)を求めるためとか。理由付けは少し眉唾な感じです。

もう一つの要点は、ピラミッドの下側をビジネスの場所としていくということ。言い換えるなら伸びない市場よりも伸びる市場で、ということ。まあいってみれば当たり前なことですが、講演者はメコン川流域に力を注いでいらっしゃるそうです。

また、講演の中心的テーマの「決断」については、「魂の決断」をすることが成功と失敗を分けるとのことでした。「体の決断」(暑い、寒い、眠い、疲れた)ではなく、「心の決断」(好き、嫌い、得する、損する)ではなく、善か悪か・正か否かという基準で純粋に行うとのことです。また、自分が「余命三ヶ月」だとしたら何にプライオリティを置くかという観点から決断するということです(僕が余命三ヶ月だったら仕事はしません)。

ビジネス書やビジネス系講演会のパターンは、一つは数字や事例をあげて理論に当てはめていくタイプと、もう一つは熱意や動機やポリシーや不撓不屈といった心持ちを熱く語るタイプだろうと何となく思っています。後者の講演を聞くメリットは、そのときに気分を高揚させることができることですが、気持ちのこととなると熱しやすく冷めやすいのが人情というもの。スーパーマンにならできることよりも、僕としてはありきたりのいろいろな性格を持った人にできることのほうが好きですが、ありきたりの人だと「成功」はできないのでしょうね。

著書の『The 決断 決断で人生を変えていくたったひとつの方法』をいただきました。そのうち読むと思います。

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