2010-07-19

カミソリの進化

大学生の頃に駅前で試供品をもらって以来、僕はT字カミソリで髭を剃っています。元々髭の薄い質なので、それほどカミソリに負荷はかけていないのですが、このカミソリの買い換えって数年に1回程度です。替え刃式なのに、替え刃がどこにも売っていないくらいの頻度です。

さて、5年ぶりくらいにカミソリを買い換えるにあたり、品にこだわりはないので、ドラッグストアに並んでいるものの中から最もコストパフォーマンスの良さそうなものを選びました(眺めるだけでわかるものではないのですが、値段とグレードと替え刃の数で決めます)。今回買ったのは4枚刃、刃が振動するタイプで、替え刃3つ付きで約600円でした。

ずいぶん前に企業経営の話を読んだなかに、ジレットだかシックだかの最大のライバルは現在までの自社であるということが書いてありました。その意味することは、常に新しい製品を出し続けて自社製品を超える満足を提供しないと商品が売れないということですが、カミソリなんてそれほど複雑なものではないから、イノベーションはそうそう起こるまいとたかをくくっていました。

ところが使ってみるとこれまでとは本当に違う感覚で、かなり驚きました。こんなに刃をたくさん使う必要はなんだろうか(掃除が面倒そう)とか、振動すると皮膚まで切れてしまうのではないかとか、いろいろ不安もありましたが、髭がっひっぱられる感覚はないし、皮膚を削る感じもしないし、引っかかりもしない。なんだかなめらかな棒やプラスチックか何かをあてているようで、鋭利な刃物をまったく感じさせません。

これがなんだか変な感じなのですよね。『ガラスの仮面』とかスケバン刑事とかで、安全カミソリの刃を衣装の襟や封筒に入れたり誰かを傷つけるために使ったりしたのに対し、本当に隔世の感があります。道具がその本性を全く隠してしまっているかのようで、その危険性を多少は表に出したほうが安全に使えるのではないかなどと考えてしまいました。

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