2007-08-08

パンツ考

パンツの話である。

Peter Piper picked a peck of pickled peppers;
A peck of pickled peppers Peter Piper picked.
If Peter Piper picked a peck of pickled peppers,
Where's the peck of pickled peppers Peter Piper picked?

僕が中学生のころは「ピィタァパイパァピックトアペック(後略)」と読んだものだ。しかし学校の英語教育はどちらかというとイギリス英語に近く、高校生のころは「I was ...」を、「アイウォズ...」と読んだりもしていた。

ところが昨今の流行りはアメリカ風英語(といってもボストン風ではない)で、「ピィラァパイパピクラペク」などと聞こえたりする。同じように、「パンツ」といえばいわゆるズボンのことをさしていたりして、こっそりと赤面してしまうこともある。夏のパンツは白でキメる、とか。

そしてようやくパンツの話である。『パンツをはいた猿』のパンツで、つまりは肌着だ。男の子がいつ、そしてどのような自分用のパンツを買うかで、その男の子のアイデンティティの一部が形成されるという重大な事実を、乙女の皆さんにわかっていただきたい。

赤子はもちろん自分のおしめについて文句を言ったりしない。布がよいとか紙がよいとか、親による押し付けだ。小学生もおおよそは押し付けだろう。そして古き亭主関白の家では、おとうさんもおかあさんが買ったパンツを唯々諾々とはいている(うちの実家に限った話かもしれない)。問題は中学生、高校生だ。

僕が通った高校(県立男子校)では、生徒がしょっちゅう人前でパンツを脱いでいた。まわりから囃したてられるとお尻をまくるだ。その時にはいているパンツを、僕はこっそりと、しかし執拗に観察していた。すると「柄付きトランクス:グンゼ風白ブリーフ = 9:1」くらいの割合だったように思う。小学生のころの身体検査ではグンゼ風白ブリーフ率がほぼ100%で、中学生の頃はグンゼ風白ブリーフ率は80%くらいだったように思える。

ここに歴史的視点をささやかに加えるならば、およそ昭和40年くらいまではトランクスタイプのパンツが主流であったと推測される(ソースは誰かに探してほしい)。しかし昭和40年代中期からはブリーフが「かっこいいもの」として登場し、以後少年たちやおかあさんたちの心をわしづかみにしたのだろう。しかし時代はめぐり、僕が高校生のときはそれが「かっこよくないもの」として認識されるに至ったと推測される(論拠は誰かに作ってほしい)。おそ松くんのデカパンと、のび太のブリーフが時代を象徴している。

機能的側面に目を向けるならば、どのような形態をしていようとも一長一短といえる。もちろんなんらかのスポーツにふさわしい(あるいはふさわしくない)形態のパンツもあろうし、体質によってもどのようなものがベストチョイスか一概には決めにくい。

多感な時期にどのようなパンツを選択するか、あるいは選択させられるか、そして何を思うかは、僕自身の実感を語ることはやめよう。しかし、少女達がこうした微妙な機微について無頓着であることはよくないと、ささやかながら啓蒙活動を行う次第だ。

ちなみに今はさらに多様化が進んでいるので、年頃の乙女には男性用の肌着をよくよく観察してみることをお勧めする。何も男性が着用しているものを直接見る必要はなく、各種の売り場にいってマーケティングするだけで良いのだから。それほど難しいことでもあるまい。

今日の日記は、とある妙齢の乙女の疑問に端を発する。件の妙齢の乙女にはさらなる綿密な調査と論考を期待したい。

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