2009-01-17

『ビジネスに「戦略」なんていらない』

ビジネスに「戦略」なんていらない (新書y)』(平川克美)を読みました。とても充実した、ビジネスについて真摯に考えさせられる本でした。ベストセラーにはなりにくい本でしょうけれども、ベストセラーになっているビジネス本よりもはるかに読み応えがあります。

簡単に要約できないし、感想を書きにくい本ですが、いわゆるビジネス本とは一線を画しています。ハウツーものではないし、いわゆる銀の矢は少しも顔を出しません。より思弁的に、抽象的に、著者の体験からビジネスについて考えたところがあらわされている本です。

僕は読んでよかったと思いました。ただし「戦略なんていらない」とは思いません。戦略不要ということではないと著者も書いていますが、僕はもっと違う意味で戦略が必要だと考えています。つまり競争相手を出し抜いて勝ち負けを決するようなものがビジネスの性格なのではなく、非ゼロサム反復ゲームがビジネスの性格なのではないかな、と個人的には考えています。もっとも経営学で言うところの「企業戦略」と日常言われる「企業戦略」は意味が違って、むしろ「戦術」という意味で使われていますから、混乱はしますがね。

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