2009-01-29

『頭がいい人、悪い人の<口ぐせ>』

頭がいい人、悪い人の<口ぐせ> (PHP新書)』(樋口裕一)をなんとなく読みました。

言葉遣いに気をつけようとは思いましたが、あまり楽しい本ではありませんでした。どうも筆者は頭の良さを説明能力に置きたがるようで、それ以外の頭の良さをあまり重視していないように思えてなりません。確かに本書に挙げられているような<口ぐせ>は頭が良さそうに(あるいは悪そうに)聞こえたりしますが(本当に良かったり悪かったりするのかも)、それ以外の頭の良さもあるだろうと思ってしまうのです。

例えば空間把握能力。他人に説明できなくともぱっと見て三次元的にイメージできる能力ははっきりと頭の良さとして認められるとは思いますが、そうした能力は言語活動とはあまり関係ありません。筆者の述べている頭の良さは、他人とコミュニケーションがうまくとれるという頭の良さでしかないのではないかな、と。

もちろん他人とコミュニケーションを円滑にとれることは現代人にとってとっても有用な能力でしょうけれども、僕の知っている非常に優秀なエンジニアは他人とうまくコミュニケーションがとれません。そうした色々な特性も考慮した上で頭の良さを判断しないことには、それこそ頭の悪い人になってしまいます。

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