2009-03-08

『日本宗教の常識100』

日本宗教の常識100―意外と知らない日本宗教の変遷と教え (日文新書)』(小池長之)を読みました。

冒頭から叩きのめされてしまいました。冒頭にトリビア的な問題が挙げられていて、それに答えてくださいというのです。問題は以下に引用しますので、これはと思う方がいたら答えてみてください。

  1. 一月一日(元旦)は何という祭日か。
  2. 伊勢神宮は何という宗教か。
  3. 法隆寺は何宗か。
  4. 奈良の大仏は何という仏様か。
  5. 成仏と往生とはどう違うか。
  6. 地獄と極楽を日本人に紹介した代表的人物は誰か。またその書名は。
  7. 閻魔の裁判は、死語何日目に行われるか。
  8. 豊川の稲荷は寺か神社か。
  9. 弁天様は神様か仏様か。
  10. 虚無僧とは何宗の僧をいうのか。
  11. 臨済宗と曹洞宗はどう違うか。
  12. 大阪市の基礎を築いたのは誰か。
  13. 一休は何宗の僧か。
  14. 日蓮宗で葬式をやると、霊魂は極楽浄土へいくのか。
  15. 達磨はインド人か、中国人か、日本人か。
  16. 法然は何という大師号を贈られたか。
  17. 次の寺の名はすべて通称である。正しい名を記せ。また何宗に属するか。
    • 三井寺
    • 金閣寺
    • 川崎大師
    • 東寺
    • 鎌倉の大仏
  18. キリスト教で、神という日本語を使い始めたのは誰か。


確かにみんなどこかで聞いたことがあるのですが、あらためてそれらについての知識があるかどうかといわれると、漫然とした答えしかできないようなものです。そうした(日本で長期間生活していると身につく)宗教的な考えや単語に、あらためて光を当てるような内容の本でした。本書は一問一答形式で、ほとんどの問に対して見開きくらいの紙数で解説されています。おおよそは時代を追って古代から現代にいたるように問が立てられていますので、一問一答にしては全体としてのまとまりもあります。

知識面のみの話ではありません。本書では筆者の体験談が多く登場するのですが、どうやら筆者は数多くの修行に参加しているようです。その体力、恐るべし。それに客観的に知識を披露するばかりではなく、かなり主観的なツッコミも所々に見られます。そうしたところもお茶目で、本書はなかなかのヒット作です。本書の初出は1976年とのことですから「最近の研究」に関しては多少間引いたとしても、この魅力は褪せません。

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