2008-02-02

10倍アップするわけない

効率が10倍アップする新・知的生産術』をついつい読んでしまった。今では後悔しています。

こういう本を読む心理は、自分の生産性が低いことに悩んでいるためだろうと思うけれども、読んだからといって自分の生産性があがるわけではない。そもそも著者と僕とでは知的活動のフィールドが違い、著者の経験則は僕には当てはまらない。というよりも、万人に通用する知的生産術などありえないのではないかと思う。

それに、「知的生産」の定義にも思うところがある。すばらしい作曲をすることや優れた小説を書くことは間違いなく知的生産だろうが、ほかの人より10倍優れた作品をものした人は、著者の言うような実践をしているわけではないし、著者の言うようなことをしたからといって優れた作品を生産できるわけでもないはず。またホワイトカラーといわれる就業スタイルの人でも、僕になじみの深いプログラマなどは10倍の生産性の違いは当たり前だが、著者の言うようなことと無縁な場合が多いし、どちらかというとインスピレーションに近いものが生産性を支えているような気がする。

それでも僕は、藁にすがる思いで本書のようなものを読んでしまう。ナサケナヤ。

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