2008-12-31

『にせもの美術史』

ちょっとした雑談です。今『にせもの美術史―鑑定家はいかにして贋作を見破ったか』(トマス・ホーヴィング)を読んでいて気になったところがあったので、個人的な備忘録もかねて。

以前『妖女サイベルの呼び声』を読んだ時に、ドラゴンは蛇のような幻想動物だと思いなおしたのですが、メトロポリタン美術館に所蔵されている「Rospigliosi Cup」のドラゴンはどう見ても蛇ではないのです。この美術品は長年16世紀にBenvenuto Celliniによって作成されたと思われていたとのことですが、現在は19世紀の第一四半世紀にフランスかイタリアでつくられたものと見なされているようです。

さて、これが16世紀のイタリアでつくられたと考えられていたということは、ドラゴンはどのような姿をしていたと思われていたのでしょうか。再び僕が以前思っていたようなトカゲに似た幻想動物だったのではないか、という疑問が持ち上がってきました。少なくともこの杯に象られている竜では、とぐろを巻いたり出来ません。

それだけです。

0 件のコメント: