2009-02-03

『ザ・チョイス』

ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!』(エリヤフ・ゴールドラット)を読みました。著者のこれまでの著作同様、物語形式で経営理論やら問題解決方法やらを解説しています。

『ザ・ゴール』以来、惰性で筆者の全著作を読んでしまっているのですが、シリーズのまとめとでもいうような内容でした。「制約条件の理論」の応用方法が何かしらの領域に新しく適用されるわけでもなく、何が述べられているかはあまりはっきりしていません。

すごく乱暴に言えば、考え方自体の再考のようなもので、一種の人生哲学みたいなものです。仮説・検証と、結果の再現性・反論可能性などの自然科学的方法論をビジネスなどの社会科学的領域に応用させるためにはどうしたらよいか、ということが焦点ですが、それにもまして著者の人間観や人生観が矢面に出てきます。曰く人間は善良であるとか、相互に利益を得るような解決策があるとか、変化を嫌うとか、物事はシンプルであるとか。

さて、面白いかどうか。正直言ってあまり面白くはありませんでした。「カンバン」やら「カイゼン」やらに馴染みのある日本で仕事をしている人にとっては、当たり前な考え方なのではないかな、などと思ってしまうのです。僕も新入社員だった頃には「『なぜ?』を3回繰り返す」とか散々言われましたし。

0 件のコメント: