2008-11-15

『町長選挙』

町長選挙』(奥田英朗)を読みました。

この作品はこれまでの伊良部先生のシリーズと違って、あまり純粋には楽しめませんでした。知人が言うように勢いがなくなったのかも知れませんが、実在の人物を題材にとったりしているので、賞味期限の短い本だな、と思いました。ライブドアショックがあったときに僕は同じビルを職場としていたのですが、既に遠い昔のような気がしますし。

そうした意味では、タイトルともなっている「町長選挙」だけが唯一の創作かなと思いきや、これもなかなか純粋には笑えない話です。単純な笑いや伊良部先生の癒しを狙っているのではなく、皮肉でもって現代を描くような雰囲気のする作品でした。そういう作風も嫌いではないのですが、作品の完成度という面ではもう少しどうにかなるのではないかと、読者としての一方的な感想です。

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