2008-07-19

地球温暖化は止まらない

地球温暖化は止まらない』(デニス・T・エイヴァリー, S・フレッド・ シンガー)を読みました。1500年周期での環境変動によって現在の地球温暖化が説明でき、人為的な温暖化への影響は微々たるものである、という本書の主張は昨今話題のCO2などの温室効果ガス削減の取り組みと真っ向から対立しています。

アル・ゴアの『不都合な真実 (An Inconvenient Truth)』をみて、なるほどパフォーマンスは優れているけれども、その科学的裏づけはどうなっているのだろう、と感想を持った僕は、地球温暖化対策としての温室効果ガス抑制に対してはなんとなく胡散臭いものを感じていました。

というのも、中学生のときに南極のオゾンホールとフロンガスの関連を信じて、その後にどちらも良くわかっていないということがわかった時に、ひどく失望したからです。当事の僕はなんとなく義憤に駆られて周囲の人を説いて回ったのですが、それは結果として、僕の無能力さと未熟さを露呈するにいたったのを、今は恥じています。

それ以来、複雑な現象は複雑にしか語れないということを肝に銘じてきました。本書が正しいのか(本書の主張はかなり正確な査読文献から構成されていますが、それでもやはり疑問も残ります)、それとも現在世間を圧倒している温室効果ガス説が正しいのか、現時点では僕の能力的にも判断がつきません。とりあえず環境保護運動のドグマに盲目的に従うのは危険であるということだけを考え、複数の意見から自分の意見を構成するのみです。

それにしても、世界史を気温から辿る視点は目から鱗が落ちました。ローマ温暖期(B.C.200~A.D.600)と中世温暖期(A.D.900~A.D.1300)、現在の温暖期(A.D.1850~)に挟まれた時代には、飢饉や伝染病の蔓延などが確かに歴史資料として残されているな、と。

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