2008-09-05

信じない人のための<宗教>講義

信じない人のための〈宗教〉講義』(中村圭志)を読みました。いろいろな宗教的背景のある人がいると思うけれども、僕にとっては前半部分の各有名宗教を簡単に紹介した部分よりも、後半の「宗教とはどのようなものか」とか日常的次元(こちら側)と宗教的次元(あちら側)の考察部分が面白かったです。前半部分はほとんど既知のことでしたので。

僕は信仰を持っています。とはいえ出家しているとか布教活動に努めているとかではなく、単に「私、信じています」「いつもこれこれの行いはします」というレベルですけど。そういう人でも、宗教とアイデンティティの考え方や宗教的に見える事柄(精神とか意識とか象徴とか)を考察することよりも人間社会(制度とか言語とか習慣とか)を考察したほうがより現実的であるとか、考えさせられる内容でした。

本書は信仰を持っていようがいなかろうが、読みがいのある本だと感想を持ちました。むしろ信仰ということを抜きにして、きわめて現実的に宗教のもたらすものを観察しようとしたときに、本書は最も役に立つのではないかと思います。

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