2008-09-11

死の本

死の本』(荒俣宏、京極夏彦、石堂藍、小阪修平、宮元啓一、田沼靖一、小池 寿子)を読みました。豪華な顔ぶれで、「死」についてのさわりをちょいと眺めた感じの本でした。黒地に白で文字が書かれていたので読みにくかったけど、図書館で借りた本なので「これはこれで書き込みとかしにくいから便利だな」と思いました。

目次:
第1章:死体とのお付きあい/荒俣宏
第2章:死の哲学/小坂修平

死の図像学I

第3章:獨弔/京極夏彦
第4章:インド死者の書/宮元啓一

死の図像学II

第5章:死をめぐる神話群/石堂藍
第6章:人の死/田沼誠一

死の図像学III


特におもしろかったのは第4章の「インド死者の書」で、アーリア人が侵入してくる以前からのウパニシャッドから輪廻の思想が現れていて、そこからアーリア系の諸民族へその思想が受け継がれていったと思われるというところ。それに仏教経由で東アジア方面に輪廻の思想が広がっていっても、その論理性は受け継がれなかったとされるところ。

見開きで片側1ページがもれなく「死」を描いたもの(絵画や彫刻の写真)になっているので、文章量は少ないですが、「図像学」を嗜む人にとってはおもしろい本となるのではないでしょうか。僕はあまり読み取れないのですが。

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