『ユージニア』(恩田陸)を読みました。
多分、傑作なのだと思います。というのも語り手が様々なのに、ひとつのまとまりのある作品になっていますし、聞き手である(文章の書き手である)人物の姿は杳として見えません。読みすすめるごとに不安になる小説でした。
傑作かどうかというのは、僕の場合はその作品にたいして何かをすぐに言えるかどうかで大体決めてしまうのですよね。で、本書の場合はきちんとした感想がすぐに言えません。
ミステリだと思って読んだから所々読み返したり、読み進めながら不審点に戻って確認したり、内容の整合性を頭の中で確認したりしましたが、語り手が様々なこと(多分作中に出てくる「本」も語り手の一人だったのでしょうね)と聞き手が見えないことで、漠として確信が持てないのです。
今更ながら断言しますが、これはいい作品でした。
2008-09-25
ユージニア
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