2008-08-08

はじめての課長の教科書

はじめての課長の教科書』(酒井穣)を読みました。

1,500円クラスのビジネス本として、値段対満足度が高いと感じました。欧米式のマネジメント本やその2番煎じの多いこの手の本としては珍しく、ミドルアップダウン型の日本式組織を想定して書かれているので、役立ち度は高いと思います。

ちょっとは不満もあります。理論的には野中郁次郎氏のナレッジ・マネジメント理論が本書のベースになっていると思われるのですが、僕は氏の著書を読む限りでは引っかかる点があるのです。引っかかる点を簡単に言うと感情面を考慮していない点と、ナレッジ単体を独立したものとして扱いがちな点です。また「暗黙知」の誤用(というか、ポランニーとは違う使い方。単なる文書化されていない知識と何が違うのか)も気になります。ところが、本書は理論と実践面ではあまりきちんと整合していないんです。部下のモティベーション管理が重要である、とか。だから僕の不満は少しだけになります。

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