2008-08-21

涼宮ハルヒの憂鬱

涼宮ハルヒの憂鬱』(谷川流)を不覚にも再読しました。

ご存知の方が多いと思いますが、萌え要素満載の本です。というか、ほとんどが萌え要素から構成されているといってよいかも知れません。これに「猫好き」「幼馴染」「関西方面方言」「姉」などの属性が加われば最強(?)といっても過言ではないでしょう。

ちゃっかりSF風味だし、そんなに物語に破綻も無駄もないし、文章だってそれなりにきちんとしたものだし、ハルヒ侮りがたし、という感じですね(しかし「なんちゃってSQL」はいただけません)。そもそも角川スニーカー文庫とか富士見ファンタジア文庫とか電撃文庫とかソノラマ文庫とか、きちんと売れる本を出しているわけだし。ジャンルは少し違いますが、僕もかつてD&D(Dungeons & Dragons)とかRQ(RuneQuest)とか、国産ではソード・ワールドとかのTRPG(テーブルトークRPG)にはまって、富士見書房の翻訳物やリプレイ集などを結構読んでいたので、親和性が高いのかも知れません。まあ好みはありますが。

先日読んだ『L文学完全読本』にはコバルト文庫やX文庫の変遷が書かれていたのですが、それと同じことがこうしたレーベルの本でも分析できるのではないか、と思いました。僕はよくその区分がわかっていないのですが、こういう形式の小説を1980年くらいから小説形式の変化や中心読者層をトレースして、メジャーな文学賞をとっている作家とリンクさせたりしたら面白そうだな、と思いました。学生の卒論とかなら、取り組み甲斐があると思います。

0 件のコメント: